松例祭は「3年みないとわからない」といわれるほど複雑多岐なお祭りです。

松例祭(しょうれいさい) 松例祭羽黒修験の四季の峰のひとつ「冬の峰」の満願の祭事で、羽黒山の代表的な火祭りです。
羽黒山開祖の蜂子皇子が悪鬼に見立てた大松明を焼き払い、疫病を鎮めた伝説に由来しています。
大晦日から元旦にかけて夜を徹して行われることから、「歳夜祭」とも言われています。
門前町手向地区より「位上」と「先途」と称する松聖2名が選ばれ、9月24日より百日行に励み、12月31日に結願の日を迎えます。
新年の五穀豊穣、天下泰平を祈願するために行われ、どちらの松聖がより強い験力(げんりき)を身につけたか、どちらが神意にかなったかを行事で競い合います。
平成26年3月に「松例祭の大松明行事」が国の重要無形民俗文化財に指定されました。
八町(やちょう) 羽黒町手向(とうげ)地区の8つの町を上町と下町に分けます。
上町(かみちょう) 八町のうち、山頂に近い4つの町。
下町(しもちょう) 八町のうち、麓に近い4つの町。
位上方(いじょうがた)
先途方(せんどがた)
御定目(ごじょうもく)
験競べ(げんくらべ)
烏飛び(からすとび) 山伏が烏の舞い上がる姿を模し、高さと美しさを競います。
兎跳ね(うさぎはね) ウサギは月山神の使いとされています。
五番の法螺 験競べにて、5番目の験者(松聖の代役の小聖)の読み上げが終わると、大目付は法螺役に験競べ終了を告げる法螺を吹かせます。6人中5番目は立春の土用で、五番の法螺は冬を追い出したことを告げる合図を意味します。
御披露(ごひろう)
昇神祭(しょうじんさい)

登場人物

山伏(やまぶし) 山伏修験者
松聖(まつひじり) 松聖羽黒山伏の最高位で、毎年2名(位上と先途)の長老山伏が任命されます。百日間の山伏修行では、肉や魚を口にせず、刃物を体にあてることができないため髭を剃ることができません。
小聖(こひじり)
綱延 前年綱付を奉仕した若者
綱付 本年奉仕する若者
出役
大目付 役者
所司前(しょしまえ) 羽黒神の化身
松打(まつうち) 新しい火を切り出す精霊
兎童子(うさぎどうじ) 験競べで位上方と先途方のどちらが早いかを机に手をのせて示します。
若者衆(わかものしゅう) 若者衆手向に住む20代~40代の男性で、位上方か先途方に属して行事を競い合います。
若者頭

小道具

法螺(ほら) 法螺貝山伏が吹く法螺貝
興屋聖(こうやひじり) 鍬と鎌を備えた小さな苫葺(とまぶ)きの小屋を模したもので、五穀の種を納めます。
大松明(おおたいまつ) 大松明まるき直し悪魔に擬したツツガムシをかたどっています。
親玉(おやだま) 親玉とんぶり(ほうきの実)のおにぎり

会場

庭上(ていじょう) 庭上メイン会場になります。冷え込みますので、防寒対策は万全にお願いします。
補屋(しつらえや) 補屋松聖の参籠場所で、若者衆の拠点です。位上方と先途方それぞれに入り口があり、中は繋がっています。出入りは自由ですが、入室したら御神前に二礼二拍手一礼してお参りください。